また観たくなる舞台・映画をゆるりと。

心に潤いをくれるミュージカルや映画などを観て感じたことを、思うままに。

宝塚歌劇 花組『MESSIAH』

ミュージカル
『MESSIAH(メサイア) −異聞・天草四郎−』
 
幕府の圧政とキリシタン弾圧に苦しめられている
弱き農民たちのメサイア(救世主)、
天草四郎時貞を明日海りおさんが演じる。
 
明日海さんの天使感といったら!!!
期待以上の凛々しさはもちろん、
ほわっと包み込む優しさがにじみ出ている。
彼女にしか出せないオーラ。 
 
悲惨な境遇の農民と、それはおかしいから立ち上がろうと鼓舞する四郎。
四郎は、この舞台では特別な才能は見せないし、魔法のような奇跡も起こさない。
強いて言うなら剣術に長け、外の世界を知っているくらい。
それでも明日海さんが演じる天草四郎には、
民衆がその言葉を信じてついて行く。
その様子に何の違和感もない。吸引力がある。

死んでから幸せになるために我慢して生きるのではない。
いまを幸せな場所にできるのは自分たち。
神は自身の心に宿っている。

こんなにも頼もしく、優しいメサイアに出会えたら
運命を共にしたいと、きっと思う。
それが生きるよろこび。
宝塚作品は、押しつけは一切ない、あくまでエンターテイメント。
それでいて、ただの娯楽ではなく
生きることのすばらしさのエッセンスを軽やかに受け取ることができる。
お芝居で切ない気持ちになっても、ショーで明るくなれる安心感がある。

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ショー・スペクタキュラー
『BEAUTIFUL GARDEN −百花繚乱−』
 
ゴンドラ降りの美しさにノックアウトされ
あの不敵な笑みに魂をもっていかれる。
闘牛士グラディエーター
アイドルユニットHANAOTOKO
宝塚らしいなんでもありの世界。
 
終盤、卒業公演かと思うような歌詞に涙が出そうになる。
本当に宝塚大好きで、トップスターに上りつめられた一人、
明日海さんの輝かしい人生が凝縮されているかのような歌……。
トップになった以上、いつかどこかで
必ず退団される日が来ることをファンも覚悟しなくてはならない。
その刹那的な世界だからこそ輝いて見えるのだけど。
 
ずっとこの世界を見ていたいと、ひしひしと感じました。

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