ディズニー/ピクサー映画『インクレディブル・ファミリー』
誰もが、人生の主役なのだと教えてくれる
14年前に公開された『Mr.インクレディブル』の続編。
これだけの長い期間が空いたのに、
『インクレディブル・ファミリー』は前作の直後のお話、
という設定もユニーク。
なにより、ストーリーが秀逸。
父、母、姉、弟、ベビー、5人家族のみんなが主役。
それぞれの立場がとても巧妙に描かれています。
特殊なパワーを持ち、街の平和を守るスーパーヒーローでありながら
普通の人間としてそれぞれの悩みを持ち、
信頼し、信用し、協力し、反発や不安もあるなか、
ありがちな家庭の問題も解決していく。
そのなかで誰か明確な主人公がいるわけではなく
みごとに家族全員が大切な登場人物として描かれている。
そこに、いちばん心をつかまれました。
加えて、仲間のスーパーヒーロたちも
誰が重要で誰がにぎやかしなのか、わかりやすい。
「前作にいたあの人は出てこないの?」と思ったキャラクターも
ここぞという場面で登場してくれる。
観終わったあとの爽快感といったら!
以前、テレビのドキュメンタリー番組で
「自分が好きだった映画は、ストーリーで好きになったんじゃない。
ワンショットを観た瞬間に、これはすばらしい…って。
それが映画だと思っているから」と語っておられ、
アニメーターとしての視点に深く共感しました。
だからこそ宮崎さんが
もし『インクレディブル・ファミリー』をご覧になったら
どのような感想を持たれるのか…と、心から興味がわきました。
この感覚、自分の中でとても大切なものに思います。
大事にして、覚えておきたい。