また観たくなる舞台・映画をゆるりと。

心に潤いをくれるミュージカルや映画などを観て感じたことを、思うままに。

マシュー・ボーンのシンデレラ

f:id:fluffy_mofumofu:20181013233534j:plain

プロコフィエフ作曲のバレエ音楽「シンデレラ」を、
演出家で振付家のマシュー・ボーンが手掛けた舞台。
世界初演は20年前。2010年に改訂版が作られ、2017年に再演。
今も世界中で上演が待ち望まれている。
日本初上演。

バレエ「シンデレラ」とも、もちろんディズニー映画ともまったく違う。
舞台は、明日はどうなるかわからない戦時下。
それでも、人々は怖がってばかりいるのではなく、
音楽を楽しみ、今を楽しみ、どんなにつらくても愛や希望を忘れない。
戦時中の人々と、不遇のシンデレラを重ねた演出。


当たり前なんですが、セリフや歌は無い。あるのは音楽とダンス。
でも、ほんの少しだけ、予備知識を頭に入れておけば、
すんなりと舞台世界に入れる。
人間が身体の全てで表現する芸術。
バレエの舞台を観たことのない私には刺激的。
第一幕の冒頭から、この先どうなるのかと思いながら見守り、
シンデレラが舞踏会へのチケットを手に入れたときの笑顔に
心からうれしい気持ちがあふれてくる。
この笑顔があるから、二幕、三幕への感動につながる。


魔法使いではない。男性の天使。
いつでも手助けするわけではない。
どんな人間でも「生きよう」とする者を助ける。

この天使の存在感たるや。圧倒的に素晴らしい。
彼のダンスを観ていると、涙が出そうになる。
魔法で助けてくれなくても、
彼が心に寄り添ってくれるからこそ誰しも希望を手にできる。
そう見えました。

シンデレラと一緒にドキドキし、ソワソワし、喜び、悲しみ、感激する。
最後はとても穏やかな気持ちになれる。
ため息が出るとは、このことかと。
なんてロマンチックな作品なんでしょう♡

マシュー・ボーン演出作品の観劇は
メリー・ポピンズ」(日本版)に続きまだ2作目。
来年の夏には再び「白鳥の湖」が来日するそう。
過去の作品も、いろいろ観たい衝動に駆られました。

 

f:id:fluffy_mofumofu:20181013233559j:plain